甘い鎖



ホームルームも終わり、
今日はもう帰るだけとなった。

日向は終わった瞬間、
誰よりも早く教室を出て行った。
今から撮影とかあるのかな…

私もささっと帰る支度をして
立ち上がる。


「水木さん、だよね?」


クラスの男の子2人が私を呼び止めた。


「そうだけど…どうしたの?」



私が聞くと、二人は恥ずかしそうに
顔を見合わせてボソボソと何か言っている。


そして、すぐに私に顔を向けて



「メアド教えてください!」


なんて、頭を下げてきた。

何を言われるのか、
内心ドキドキしてたから拍子抜けだった。


「いいよ?」



メアドくらい、そんな改まらなくても…
そう思いながらメモ帳にメアドを書いて
それを渡した。



二人はそれを嬉しそうに受け取って


「ありがとう!」


と言って教室を出て行った。




2人が出て行った後、私は小さくため息をついた。