「おはよう」
声をかけると二人とも笑顔で
「おはよー」と返してくれた。
「彰人ったら、今日ね本気で間違えてここを自分のクラスって勘違いして堂々と入ってきてさ、自分の席に誰か座ってんだけどって真面目な顔して言ってくるんだよ？バカだよね」
ハルちゃんが笑いながら
私にそう言ってきた。
彰人くんはハルちゃんの隣で照れ臭そうに笑っていた。
「えー、本当？面白い。彰人くん意外と天然？」
私の言葉に彰人くんは肩を落とした。
「はぁ…本当恥ずかしくて死にそうだったんだけど」
だろうね…。
もうかけてあげる言葉が見つからないもん。
少しして日向が来た。
日向が目に入らなくても
女子の声で日向が来たのかどうかって分かるんだよね。
「おはよ！」
私が声をかけると、日向は
チラッと彰人くんを見てあからさまに嫌そうな顔をした。
え、どうしたの？
「チャイム鳴るし、俺戻るわ」
日向の顔を見てか、本当にチャイムが理由なのかは分からないけど、急いで教室を出て行く彰人くん。
ハルちゃんは笑いをこらえているのか
下を向いて肩を震わせていた。
何が面白いのか分からないけど。
