甘い鎖




屋上でお弁当を広げる四人。
初めて顔を合わせたハルちゃんの彼氏は思っていたとおりいい人そうだった。

「友里ちゃんだよね?ハルから聞いてるよ。俺は隣のクラスの沢井彰人。よろしくね」


と、超爽やかな笑顔を向けてくれる彰人くん。

「水木友里です。よろしく」


彰人くんは私の自己紹介を聞くと
私の隣にいる日向に目を向ける。
日向は私の肩に腕を回してくっついてる?状態。
なぜか屋上に来た時からずっと…。

私、内心ドキドキなんだけど。
心臓がやばいです。


「…うん、名前は聞かなくても分かる。それにしてもビッグカップルだね」


と、引きつった笑顔でそう言う彰人くん。
日向ったら表情も変えずに彰人くんのこと見てるんだもん。



「でしょう?本当に美男美女だよね♪」

ハルちゃんはそれに気づいてるのか気付いていないのか笑顔でそう言う。


「まるでテレビの世界みたいだ。いつから付き合ってるの?」



「あ!それ気になってたー」



と、彰人くんとハルちゃんが
身を乗り出して聞いてくるから
なんて答えていいか分からず黙りこんだ。



「…中3から」



と、日向が答える。
ああ、そういう設定ね。
覚えておかなきゃ。



「へぇ♪どっちから?」


ハルちゃんはうきうきした感じでどんどん聞いてくる。


「友里」



えっ…
そういうことにするのね。
そらそうだよね…うん。



「ご、ご飯食べよ!」


あまり突っ込まれたくないから
そう切り出した。


ハルちゃんも彰人くんも
「そうだね」と言ってお弁当を出す。