待ってよ…


もしかして、昨日の日向の

明日わかるよって、
まさか、この事だったの?!


お礼ってこれ?!




意味が分からない…
全く理解出来ないんだけど!!


頭の中がパニックの私をよそに
女子達は騒ぎ出す。
悲鳴のような叫び声の理由は
…日向が来たからだ。



日向は何でもないように私の隣に座って
こっちを見る。

日向の視線を感じたけど、
私はそっちを見ないようにした。



「日向が見てるよ!ほら、彼氏なんでしょ?」


と、ハルちゃんが小声で言ってきたけど
私はひたすら下を向いていた。



「日向!!昨日の…水木さんが彼女って本当なの?!」



ある女子が日向に聞く。

本当なわけないじゃん…
嘘だよ、全くの嘘。




「うん、本当だよ。ね?友里」



と、王子様スマイルをこちらに向けてるのが下を向いてても分かる。
すると周りの女子は「きゃー」と興奮の声を上げる。



私はどうしていいか分からず
ただ黙っていた。



「…照れ屋さんなんだよ、友里は。だからあんまり俺らのことは言わないでやって?」


と、みんなにそう言う日向に
女子はみんな「はーい」なんて言って
ふわふわした足取りでそれぞれの席に戻って行った。