「俺、あんたの事知ってる。水木友里?だよな?」




えっ…嘘!!
日向が私のことを知ってる?
ど、どうして?!


驚いて近いことを忘れて
顔をあげる。




「うん。確かに可愛いな。そりゃ男に迫られても仕方ねぇ」



と、まじまじと私の顔を見てくるから
恥ずかしくてまた顔をそらす。



日向に可愛いだなんて…
可愛いと言われることがトラウマみたいになってる私だけど、
こればかりは、嬉しく感じる。




「もし、今俺が助けなかったらどうなってたと思う?」




と、さっきまでとは違う空気になった…気がした。

もし、日向が来なかったら私…




「…危ない事になってた」



そう思う。
あの雰囲気だったら危険なことが待ってたと思う。



「うん。そうだよな?だから、お礼が欲しいんだよ、俺は」


そう言って立ち上がる日向。
そんな日向を見上げる私。




日向は上から私を見下ろす。
なぜかその姿もカッコ良く見えて…
見惚れてしまった。