【完】銀髪ヤンキーとヘタレ少女



重たい足を引きずるようにしながら、二人がいるという場所に向かう


そこは体育館裏だった。若干じめじめしてるけど日陰が多くて今の時期はちょうどいい


「城田くんお待たせー」


いつもよりさらに柔らかく優しい声でその人の名前を呼ぶあっちゃん


その人は鋭く突き刺すような視線をわたしたちに向けてくる



こっ、コワっ!!


片岡くんより数倍コワイ!

てか本物初めてちゃんと見たけど、髪の毛赤すぎない!? 真っ赤じゃん!

無造作にセットされたその髪は、まるでゆらゆらと揺らめく炎のようだった。


「だれ?」


わたしを睨んでくる赤髪の彼に泣く一歩手前まできた。


あと一歩で涙が出る。確実に!


「昨日話した子だよー。 ほら、リンくんの彼女」

「あぁ……どーも」


一瞬で普通の無表情になる城田大輔が低い声のままわたしに挨拶をしてきた


無愛想っていうのは知ってたけど、ちょっとニコってするくらいしよーよ


なんて言えるわけもなくヘラヘラ笑ってどうもどうもと頭を繰り返し下げた