葉月side



転校生が来てからまだ1ヶ月も経ってないのに

3年生になりました

あの挨拶の件からというもの

転校生のうちへのあたりが強い

そんなに憎いかよ、って思うけどそのお陰でなのか、仲良くはなれた


「おはよ!」

「おはよう」


いつものようにうちが教室に先に入って皐月が後からきて2人で挨拶する

いつものようにみんなから挨拶が返ってくるとは言えない、

クラス替え初日からそんなことはない

見たことのない人も発見できる

とりあえず指定の席に着く

今年も楽しく過ごせるかなとか考えながら皐月を見れば呆れた顔でうちを見る皐月がいた

不思議と思い首を傾げてみた

皐月はため息をつきうちの頭を軽く掴むといつもと違う、怒ってる時のあの笑顔を向けて


「なに2組連れてきてんの?私、3組だから」


…ん?

皐月の発言に意味が分からなくなる何を言ってるんだ?

確かに自分のクラスを確認したはず…

思い返してれば頭に激痛が走り上を向けば皐月の鬼のような形相が目に入り考えることをやめた


「わかったらその手、離しなね」


無意識につないでた手を離せば皐月はいつもの笑顔に戻ってかかんでうちに目線を合わせてくる

今まで同じクラスだったほうがおかしかったんだと後で気づいたけど今んときは疑問しかなかったんだ


「違うクラスだけど、葉月がもっとみんなと仲良くなれるチャンスだよ
私も葉月に頼らないから葉月も私を求めちゃ駄目
わかった?」

「はい…」


皐月の言葉に不安を抱き寂しくなった

毎日隣にいた姉をなくすのはかなりの孤独感で、実はパニックだったんだ

うちの頭を優しく撫でてくれてる皐月を見上げれば隣からズサッと雑音が聞こえてくる


「神谷くん、おはよ」


姉妹の絆を分かちあってる途中に邪魔が入ったと思ったら

いつもこいつだ、


「皐月おはよ!っと、葉月もいたのか」


ガンスルー

そう心に決めたのに皐月はそんな神谷の言葉にクスクス笑って反応してやる

いつ気づいたんだろ

あの転校してきた日から皐月は少し変わった

女の子になった

その原因はこいつ、神谷隼人

少し納得いかないうちに気づいたのか皐月はうちの頬を両手で包んでニコッと笑えば


「いってきます」


と言って教室を出ていった

教室を出るまで手を振るうちに優しく手を振り返してその姿が消えた

隣のニヤニヤした笑いが視界に入ってしまった

皐月はこんなやつのどこがいいんだか…


「ほんと仲いいよな」

「友達いないからって僻むな」


神谷はうちの言葉にカチンときたのか完全にこっちを向いてきた


「俺には兄弟とかのくくりじゃなくて、お前らよりも絆の深い親友がいるんだよ」


と初めて知った神谷の親友の存在

まぁそんなもの決して興味はない


「そーいや、俺の親友は3組で、皐月のクラスメイトか」


前言撤回

その神谷の親友ってやつ、皐月に関わらせないようにしなきゃ

こいつの周りはおかしことがあるって決まってる

そう心に誓いながら新しい1年がスタートする