待ちに待った放課後タイム

俺は帰りのHR後に葉月に近寄った


「あ、ちょっとこれ書いたらでいい?」

「いいよ、待ってるわ」


何かを書いてる葉月の前の椅子に腰掛けて見てると須賀澤が来てその紙を覗いてきた


「葉月ありがとな、何か任せっきりで悪いな」

「いや、大丈夫…その、部活頑張れ」


初めて見る葉月の赤面した顔や頑張れって言ったあとのあの嬉しそうな顔も

全部俺のものじゃない、他の誰かへ向けた好意

静かにその姿を見てればエナメルバッグを背負って帰ろうとする須賀澤と目が合う

あいつは笑ったんだ

それは、嘲笑うような…俺に挑発的な笑だった

ムシャクシャしてくる


「隼人?準備できたから行こ!」


俺が頭を抱えてれば背中をポンッと叩いてもう既に立ち上がってる葉月が目の前にいた


「おう」


俺は葉月のあとをついていくように学校をでた


「それで、なにすんだよ?」

「よーく考えてみ?考えればわかる!」

「わかった、デートだ」

「…全く、隼人の頭ん中は真っ白で幸せそうだな」


葉月におでこを小突かれる

俺は少し後退するがその勢いに乗せて葉月に軽く体当たりする

葉月は少しぐらつきながらムッとした表情で俺を見てくるから俺は頬をつついてやった


「なんだよー、」


怒ってはないけど怒ったふりをしてる葉月が可愛くて

と思っていたら目的の場所についたみたいだった

そこは少し汚れた公園で俺は葉月に腕を引かれながら公園のベンチに座らせられる


「目、つぶって」


俺は指示通りに目をつぶってみれば変な雑音が聞こえてきてそれがなくなれば葉月であろう人が俺の肩を叩いた

これが目を開けろの合図だと思って目を開ければ

"ぐちゃっ"

何が起きたのか理解ができないなかたくさんの笑い声とともに甘い香りがする


「「happybirthdaytoyou!」」


それは誕生日の歌

明日が俺の誕生日って教えたのはおまえしかいないだろ


「よお、孝輔」


顔面シュークリームは今までにないくらいの美味しさで周りを見たらメンバーは2組だった


「まだ、お祝いしてなかったからな」

「おめでとう!」


などと同級生の言葉が聞こえてくる


「2組のやつらだけかと思ったらお前もいるとか」

「悪いか?」

「いや、寧ろ嬉しい」


孝輔のつっかかれば孝輔も満更でもなくて


「隼人がこの学校に来て初めての誕生日でしょ?
全員がお祝いしたいって言ったら」


葉月が俺に向かって言う

俺もそれに笑顔で返して「ありがと」と呟けばみんなは嬉しそうな顔をしていた

例え俺の好きな人が誰かを好きでも俺はその人が笑ってくれれば俺も自然と嬉しくなる

だから、今は葉月の恋に邪魔できないし

1番近くで見守ってみようと思った

明日の体育祭…きっと笑っててくれるよな?