体育祭まで残り2日に迫った今日
葉月に放課後付き合ってと言われた俺は少し浮かれてたのかもしれない
どの教科の授業も楽しくてしかたがなかった
「ね、優…この辺どんな風に配置すればいいんだっけ?」
ただ、これだけは慣れない
それ以上近づくなとか思ったらいつの間にか葉月の腕を掴んでいた
「ん?どうしたの?」
「あ、えと…ハエが止まってた…」
「うぇっ!?もう止まってない?」
自分の周りをキョロキョロ見始める葉月、その後ろには少しうすら笑いを浮かべた須賀澤
俺は強がって「嘘でしたー」とか言って2人から距離を置く
自分の醜い嫉妬に腹が立った
自分の心の狭さや小ささにイライラした
今日はいい日なはずなのに
「あらら、みっともねーな」
俺の今の一部始終を見てたのか後ろの頭上から声がかかる
「うるせ、そんなん自分が1番わかってら」
孝輔と並んで廊下を歩きながらそんな会話を何度しただろう
しつこいやつだ
「今日、誘われたんだってな
よかったなー今日オフで」
孝輔の唯一の意地悪なとこはこーやって人をいじるとこだ
そんなんお見通しなんだよーだ
「たまたまなー、オフだったから付き合ってやろーかなって思ってなー」
「あ、じゃあ俺もオフだししかも瀬野と話してみたかったから代わりに俺が…」
「ダメダメダメ!あー悪いって」
全てがバレていた
その後は孝輔は俺を励ましてんのかそれとも諦めろって言ってんのか分からなかったけど
とりあえず
俺の背中をおしてくれたんだ
ったく、本当にお節介なやつだよな

