父さんに送ってもらう予定だったけど、急患が入って、俺は歩いて行くことにした。

歩いていると、正門に入る時に、一台の車が止まった。

この学校は、車で来る人がほとんどだ。
でも、みんな正門に止めてはいけないという規則になっている。

だから、正門に止まる時は不思議で止まって中から出てくる人を見ていた。

その中から出て来た人は、愛美だった。

その隣には、若そうな男の人が乗っていた。

愛美が俺に向かって手を振ってくる。俺は振り返す。


「優斗くん、おはよー」

「おはよー、今日からようやく学校に来れるんだね。楽しみだね」

「本当、久しぶりすぎてもー朝から、心臓ばくばくだよー」

愛美のまた声が聞けてよかったなぁ、そういえば、さっきの男の人誰なんだろう。聞いてみようかな。

「ねぇ愛美、さっき乗ってた…隣の……
人誰?」

「えっ、今なんて言ったの?」

「だからさ、昨日「あみー、おはよー」

「あっ、結衣おはよー」

「久しぶりだねー。もう、待ってたんだから」

そういって、2人で行ってしまった。

結局、聞きたいことも聞けなかった。

それを知るのは、もう少し先の話…