ポケットから携帯を取り出し、受信メールボックスを開く。
「莉夏、どしたの？」
私が立ち止まったことに気付いたのか、先を歩いていた愛花が足を止め振り返る。
でも私の耳に、愛花の声は届いてなかった。
息が上手く出来ない…
これは夢？
これは悪戯？
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From:多谷 良輔
見てくれてありがとう！
莉夏ちゃんが聞いてなかったら意味ないから。
メールじゃなくて直接話したい。
今、逢えない？
良輔
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「お〜い、どしたの？」
微動だにしない私を不思議に思ったのか、愛花が携帯を覗き込んできた。
「ちょっ、これ…！
ホラ、莉夏、やったじゃん」
愛花が私の肩を揺する。
『これ…』
やっとの思いで、言葉を絞り出した。
