「・・・あっ 今下に着いたよ。」


「スグに降ります!」


廉は梨佳子の姿を見て助手席のドアを押し開け、


何も知らない梨佳子は静かに廉の横に座った。



黙ったままの廉に・・・・


『いつものように怒ってくれたら気が楽なのに・・・』


「あの・・・今日はスミマセンでしたm(_ _)m」


何も言ってくれない廉に謝った。


「・・・。」


廉は何も言わずに気の抜けた笑顔で梨佳子の手を握り締めた。



梨佳子は思い過ごしか・・・抱きしめられるかと思った。


何か言いたそうなのに、何も言わずに手を握り締めているだけの廉を見て、


『いつもなら怒るのに・・・何か言って・・・(;_:)』


息がつまりそうになった。



「あれから何処に?」


「ご飯は食べましたか?」


「・・・・。」


「本当にスミマセン(>_<)」


「今から行きませんか?お腹空いてるでしょ~」


廉は梨佳子の顔を見て優しく笑って、


「いいよ!顔見に来ただけだから・・・」


「遅くにゴメン、もう部屋に入ってくれていいよ~」


握っていた手を離した。


「おやすみなさい・・・」


「おやすみ・・・」


廉は優しく笑って手を振った。


梨佳子は後ろ髪を引かれる思いで、廉の車を降りてマンションに入り、


廉は梨佳子が入るのを見て車を出した=3