いつも恋して・・・

「♯先に駐車場にいるから=3」


廉は車のキーを持ってさっさと専務室を出て行った。


まだ断るつもりで駐車場の扉を開けたら、


スグに廉の車が梨佳子の前に止まった。


「早く乗って=3」


助手席のドアを開けて梨佳子を急かした。


梨佳子が助手席に座ってドアを閉めたら=3=3=3


廉は急に車を発進させた。


『何も喋らない・・・』


黙ったまま車を走らせる廉に話しかけにくく梨佳子も黙ったまま。

到着した所は、見るからに高級レストランで、


車を止めて、


「降りて。」


廉は助手席のドアを開けて梨佳子の手を取った。


廉は無愛想なまま梨佳子の手を握ってお店の中に入って行った。

「スゴく高そうなお店…」


メニューを見た廉は適当に頼み出した。


ふと…梨佳子は高そうなお店で料理を頼んでいる廉の姿が、あまりに自然でジッと見とれてしまった。


「何見とれてんの←(¬_¬)…」


「えっ!?」


やっと喋ったかと思ったら不機嫌なままだったので、


「あの~専務、何か怒ってますか?」


何を怒らせたのか気になるものの全く分からなかった。


「(-_-♯)別に・・・」


梨佳子の間抜けな質問に廉は拍子抜けしそうになった。


怒っていると言えば・・・起こさずに黙って帰った事とか・・・


連絡が取れなかった事。


何もなかったかのような態度とか、何よりムカつくのは「気にしないで下さいね!」


って事・・・


言いたい事は山ほどあるのに、梨佳子を目の前にすると何も言えなくなっていた。


「食べよ~!」


結局口数が少ないまま食事を済ませた。


店を出て廉は梨佳子の家ではない方向に車を走らせる。



「何処に行くんですか?」


廉は梨佳子の声を全く聞こえないフリをして前を向いていた。


『多分昨日の事を気にしているんだろうな・・・』


梨佳子は会社を出てからの廉の態度を、ちょっと可愛く思った。