伊藤は廉の声からどんなに喜んでいるのか手に取るように分かった。


「社長がお出迎えになったら喜ばれるでしょうね(^0^)」


「だといいがな・・・(-_-;)」


「2日間スケジュールは空けてあります(^-^)v」


「・・・いつもすまん(-人ー;)」


伊藤は飛行機の便を確認して電話を切った。



その日の夜は全く眠れなかった。


「梨佳子は君への気持ちは全く変わっていないようだよ(^-<)」


廉は梨佳子の父親から別れ際に言葉のプレゼントを貰っていた。


『本当に1年前と同じ気持ちのまま帰ってきてくれるだろうか・・・』


廉は自信のないまま当日を迎えた。



身だしなみをいつもより念入りに整えて空港に向かった。


到着時刻はまだまだ先・・・と分かっていても家でジッとはしていられない・・・


梨佳子が出てくるゲートの少し先のベンチに座った。


「待っていたよ~」


両手を広げて・・・臭いか(-0-;)


「お帰り・・・」


普通すぎるか・・・(>0<;)


「・・・・。」


梨佳子を出迎える言葉を考えて考えて・・・


「お帰り・・・か」


結局気の利いた言葉は全く思いつかなかった。


到着のアナウンスが流れた。


到着時刻がとうとうやって来た!!


いてもたってもいられず、人が出てくる前に立ち上がった。


自動ドアが開いて大きな荷物をゴロゴロと引っ張る人の流れが廉の方に向かって来た。


廉は手前から1人ずつ人の波を掻き分けるように梨佳子の姿を探す・・・