とろけるジャムの隠し味


美術室に駆け込むと、見慣れたキャンパスに安心してため息がでた。


落とした筆を洗わなきゃと、恵梨は水道の蛇口に向かう。



「関くん、何だって?」


テーブルで真新しい粘土をこねながら、永田律子が不思議そうに尋ねた。


「風紀委員のプリントが足りないから、明日職員室でコピー機借りなきゃだって。」


「え、それだけ?」


律子はかたい粘土をほぐしていた手を止めて、不思議そうに恵梨の方を見た。