ポケットからハンカチを取り出して、二宮くんの肩の水気をぬぐう。


遠慮ぎみに「いや、いいから」と抗議されたけど、そんなわけにはいかない。



びしょ濡れだ。

これは帰ったらすぐに干さないと。


乾燥機にかけたいところだけど、縮んだり型崩れしちゃうからだめだよね……。




「ごめんね、二宮くん。風邪ひいちゃうかも……」




気を遣わせてしまったことに申し訳なく思っていると、


ふいに、二宮くんにハンカチを持っている手をつかまれた。




「あやまんなよ」


「でも……」