クールな彼の溺愛注意報


 ・

 +

 ・

 *





「ただいま~」




玄関で靴をぬぎながら言うけれど、予想どおり応答はない。


スマホの時計を見ると、お母さんが帰ってくるのはもう少し先だった。



家に誰もいないのはいつものことだから慣れてる。


あたしは小学生のころから、家ではたいていひとりで過ごしてきたから。



お父さんはもの心がつく前に亡くなってしまい、うちは母子家庭。



そしてお母さんの仕事柄、

あたしたち親子が家の中で顔を見合わせるのは週末だけ。


だから毎回、『寂しかった』と苦しいくらいに抱きつかれる。



ちょっと子どもっぽくて、けっこうおちゃめなお母さんだけど、

あたしを女手ひとつで育ててくれた、たのもしいキャリアウーマンだ。