あやうく聞き逃しそうになるくらい、小さくてかすれた声だった。
かろうじて耳に届いたその言葉に、あたしの思考はとまった。
「え……?」
つい、ぽかんとした顔になってしまう。
だって、笑顔とか見せないで、って……え?
どういう意味なのかよくわからず、ただ目をぱしぱしとしばたかせるあたし。
もちろん意味は理解できるけど……
どうしてそんなこと言うの?
「二宮くん……?」
二宮くんを見上げていると、ふいに顔に影ができた。
二宮くんの顔が、心なしか近づいてきてるような気がした。
その端整な顔立ちに見とれながら、あたしの頭のなかは疑問符でうめつくされる。
な……なに? どうなってるの?
もしかしてあたし、
キスされ……

