冷や汗を流して覚悟するあたしに、
お母さんはすごく真剣な表情で、口を開いた。
「紫乃と葵衣くんは血つながってないから、姉弟になっちゃっても結婚できるからね!」
「……っ、はあ!?」
満面の笑みで言ったお母さんに、意思と反して顔が真っ赤になった。
お母さんは力強くうなずき、ぐっと親指を立てる。
そのおちゃめ加減、ほんとどうにかしてくれませんか!
「さーて。今度こそ荷物まとめなくちゃ!」
「ふたりとも、もう聞き耳は立てないから安心してね」
「じゃあ若いふたりで仲良くね~」
嵐のようにリビングをあとにしたふたり。
ドアがばたんとしまると、この短時間で疲労がどっと押し寄せてきた。
い……いつにもまして、お母さんがパワフルすぎた。

