「子どもはもうふたりでじゅうぶんだしね。正式に籍を入れるのは何年かかってもいいと思ってる」
「二宮さん……」
「葵衣はもう了解してくれてるんだけど……どうかな。僕が父親になるとしたら、紫乃ちゃんは受け入れてくれる?」
二宮さんのおだやかなほほ笑みに、少しの緊張がかいま見えた。
こんなに紳士で寛大な男の人を、受け入れない理由がない。
あたしは二宮さんに向かって、深々とていねいに頭を下げた。
「こんなおちゃめな母でよければ、もらってやってください」
「あはははっ。紫乃ってば、わたしのお母さんみたい~」
お、お母さんが子どもすぎるだけでしょ!
自分の母親にそんなことを言われるなんて心外すぎる!
二宮さんは安堵した表情で、「ありがとう」と照れくさそうに笑った。

