安達くんはそう、切なさをまじえたようにほほ笑んだ。
その表情に、はっとする。
も……もしかして、安達くんはいまも……
「付き合ってたっていうか……昨日から、付き合いはじめたの」
「そうだったんだね……」
ど……どうしよう。
なんだかちょっと気まずい。
このまま笑顔で別れるべきかなと思っていると、ふいに、視界が真っ暗になった。
「こいつ、誰?」
すごく聞き覚えのある声に、あわてて視界をかくしてくる大きな手をはずした。
視界が開けてすぐに見上げると、予想どおり葵衣が立っていた。
無表情で安達くんを見てる。
葵衣の登場に、近くを歩いている生徒が、とたんにさわぎ出した。
き、今日だけで何回このざわめきを体験したか。
いい加減しずまってくれたらいいのに……!

