クールな彼の溺愛注意報


 ・

 +

 ・

 *





次の日の朝。

ダイニングテーブルにならべられた朝食に、あたしはまばたきを繰り返す。




「……葵衣は主婦ですか」


「なんでそうなる」


「だっていそがしい朝からフレンチトーストつくる男子高校生とか……。いくらなんでも女子力高すぎだよ」




しかもお弁当までつくってくれてるし。

これは、あたし負けたかもしれない……!



敗北感にうちひしがれていると、

葵衣は“女子力”という言葉にか眉をひそめてイスを引いた。




「言っとくけど、ふだんからこんなのつくってたわけじゃないから。
同居はじまる前は昼だっていつもパンで済ませてたし」


「つまり……あたしのため?」


「……時間ないから、はやく食えよ」




つんとした声で言って、葵衣は照れ隠しに紅茶を飲んだ。


あたしはゆるむ口元をおさえて、イスにすわる。



葵衣のつくってくれたフレンチトーストはとてもおいしくて、優しい味がした。





 *

 ・

 +

 ・