葵衣があやまることじゃない。
そう言うために顔をあげようとしたら、優しい手に制された。
「これからは絶対、紫乃のこと守るから、離れないで」
「……うん」
でも、あたしも葵衣のこと守るよ。
葵衣はあたしの、大切な人だから。
葵衣には聞こえないように、こっそり心の中でつぶやいた。
また目を閉じると、あたたかい体温のせいか、急激に睡魔がやってきた。
「けど……ほんとはちょっとだけ、うれしかった。
紫乃が全然、あのころと変わってなかったから」
まどろみの中で、葵衣の声が聞こえる。
「あのころもいまも、俺のこと守ってくれて……ありがと」
応えるように、葵衣のシャツを右手でつかんだ。
「無理はしてほしくないけど……。ずっと、そのままの紫乃でいて」
その優しい声に、うんとうなずけたかはわからないけれど。
葵衣の腕に包まれて、
幸せな気分でゆっくりと眠りに落ちていった。
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