拓海くんとは、みゆきのお兄さん。
県外の大学に合格して、いまはひとり暮らしをしている。
拓海くんは気さくでとても話しやすくて、あたしもだいぶ親しい仲だった。
「でも、久々に家族がそろうんでしょ? あたしが邪魔しちゃだめだよ」
『そんなことないよー! 拓海くんも紫乃ちゃんに会いたいって言ってたもん!』
みゆきの言葉を聞いて、じゃあ……と言おうとしたあたしは、ふと大事なことを思い出す。
「……ほんとに、ごめん。あたしもすごく会いたいんだけど、ちょっと……」
『なにか用事があるの?』
きょとんとした声で問いかけてくるみゆきに、あたしは言いよどんだ。

