どこかに当たらないようにか、左の手首をつかまれた。


そのまま繰り返されるキスに、くらくらしてなにも考えられなくなっていく。



それでもなんとか追いついて、ゆっくりと応えた。


右の腕を葵衣の背中にまわして、ぎゅっと抱きしめ返す。



甘い感触、

熱い体温、


優しいキスの雨。



抱きしめる腕から、つかむ手から、触れる唇から。


すごく大切にされてるって実感して、ときめきどころじゃなかった。



どきどきしすぎて、心臓が壊れちゃいそう。



でも、葵衣と同じくらい……

ううん、それ以上の気持ちを返せるように、キスに応えた。



好き。

大好きだよ。



少しのあいだだったけど、葵衣といっしょにいられなくて、すごくさみしかった。


もう、絶対……はなれたくないよ。



そんな気持ちもこめて。