葵衣が負い目を感じないように、できるだけ明るく笑った。
けれど葵衣はそんなあたしを見て、思いつめるようにうつむく。
うーん……。
どうすれば元気になってくれるんだろう。
傷を負ったのはあたしだけど、葵衣のほうが心に大きなダメージを受けちゃったみたいだ……。
「とりあえず! 右手じゃないだけよかったって思うことにしようよ」
先に玄関にあがったあたしは、笑顔でくるっと葵衣を振り返った。
そして落ち込んだままの葵衣の頭を、幼い子にやるみたいに優しくなでなでする。
なでなで……
する?
「…………」
葵衣がおどろいて目をしばたかせる。
あたしも、あまりにも違和感がなかった自分の行動に、一瞬なにをしたのかわからなかった。
ん?
あたし、すごく自然になでたけど……。
葵衣の頭、なでたことあったっけ……?

