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「それで……。葵衣くんは、まだ落ち込んでるんですか?」
久々に歩く、家までの帰り道。
空を見上げると、星がすでに頭上でかがやいていた。
となりに目を向けると、葵衣はうつむきがちでずーっと無言をつづけている。
目すらあわせてくれない。
あたしがけがをしたことに、そうとう責任を感じているみたい。
さっきからすごく空気が重い。
でも……不謹慎だけど、それがちょっとうれしかったりする。
あたしのこと、本当に大切に思ってくれてるんだな、って。
あのあと、あたしは拓海くんにつれられて病院へ行った。
3針縫うことになっちゃったけど、ちゃんと処置してもらったし、真っ赤だった手も綺麗になったし……。
もちろん左手はいまも焼けるようにじくじくして痛いけど。
でも、後悔なんて少しもしてないよ。
葵衣がぶじでいてくれて、本当に、心の底からよかったって思ってる。

