わざと挑発するような言葉を選ぶその人に、心底ムッとした。
手当てを続けてくれていた柊木くんが、最後にサージカルテープで包帯を固定してくれる。
「……はい。止血完了」
「ありがとう。……ちょっとこれ、使うね」
もう一度、柊木くんにお礼を言ったあたしは、
そばに置いたままだった血のついたサバイバルナイフを右手でつかんだ。
「ちょっ、羽山さん!?」
「紫乃ちゃん、なにを……!」
あせったようにあたしを呼びとめるふたりを無視して、立ち上がる。
左手の患部は相変わらずじくじくと痛む。
その痛みも手伝って、銀髪の人にいまさらながらふつふつと怒りがこみ上げてきた。
あたしは葵衣たちのもとに向かって、
銀髪の人と対峙するようにして立ち止まった。
銀髪の人はいやな予感がしたみたいに、眉をしかめてあたしの手元のナイフを見下ろす。

