こまったような、あきれたような声で言って、柊木くんが回収したナイフを見せてくれた。
折りたたみ式のサバイバルナイフだ。
赤くぬれた刃がギラリと光ってる。
た、たしかに切れ味はすごくよさそうだ。
あらためて見るとおそろしくて、背筋がこおった。
この刃が、葵衣に、触れなくてよかった。
でも、これを思いきりつかんじゃうなんて……あたし怖いものないな。
なんて自分にあきれながら、
しゃがみこんだ柊木くんが、かばんから小さめの救急セットを取り出すのを見つめた。
たしか前は、この中からお酒を出したんだっけ……。
軽く4次元かばんだ。
「とりあえず止血だけしよっか。羽山さん、すわってくれる?」
柊木くんに指示され、その場にしゃがみこんだ。
手際よく手当てをはじめる柊木くんに、「ありがとう」とお礼を言う。
そしてふと葵衣のほうを見上げたあたしは、おどろいて目を見開いた。
葵衣が銀髪の人の胸倉をつかみあげ、
いまにも殴ろうとしていたから。

