こそっと小さな声で言ったみゆきに、あたしは思わずがたっと立ち上がった。
みゆきには……告白されたこともあたしの気持ちも、すでに話していた。
けれどいまは、自信がない。
あたしは変わらず葵衣が好きだし、すぐに消えるような気持ちじゃない。
でも、葵衣のほうは?
いまでも変わらずあたしを好きでいてくれてるって、あたしが断言できる?
もしかしたら葵衣の気持ちは、あたしから離れてるかもしれない。
「だって、家から追い出されたし……」
「お、追い出したんじゃないよ! きっと二宮くんにも理由があるんだよっ」
またずーんと落ち込んだあたしを、みゆきが必死に元気づけてくれる。
……理由って、なに?
葵衣はあたしを遠ざけて、なにをさがしてるの……?
葵衣と電話していた拓海くんの『はやく見つけ出せよ』という言葉を思い出し、
あたしは視線を落としたまま考えた。