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放課後。

正門前にバイクが停まっている光景には、だいぶ見慣れてきた。




「ふたりともおつかれ」




あたしたちに気づき、ねぎらいの言葉をかけてくれる拓海くん。



あの日から、拓海くんはみゆきの登下校に付き添うようになった。


はたから見れば、心配症の彼氏が彼女を送迎しているように見える。



まだ、柊木くんを警戒しているのかな。

あの日、あんなふうにみゆきを傷つけていたのに。




「拓海くん、大学とか大丈夫なの?」


「拓海くんは暇人なの」




みゆきがぷくっと頬をふくらませて、小さく毒をつく。

もちろんまったく威力はなくてかわいいだけだけど。



拓海くんは肩をすくめ、小さなみゆきの頭にぽんと手を置いた。




「みゆきは最近ふてぶてしいな。大学にはちゃんと行ってるよ」