胸の前で、ぎゅっと手をにぎる。
そしてあたしはゆっくりと、首を横にふった。
「ううん。あたしには、ちゃんと自分の家があるから」
小さく笑ってそう言うと、拓海くんがなにか言いたげな表情をしたのが見えた。
でも、あたしは自分の意見は曲げないタイプだ。
それを知っている拓海くんは、無言のあと、脱力したようにうなずいた。
「……そうか。じゃあなにかあったら、すぐに連絡しろよ」
「うん、ありがとう。……みゆきのこと、たのむね」
「わかってるよ。じゃあな」
最後にまたぽんとあたしの頭をなで、拓海くんはバイクで走り去っていった。
みゆきが走っていった方向へと。
みゆき……大丈夫かな。
そう少し心配に思いながら、あたしは二宮くんたちを振り返った。

