どくん、どくん、と心臓が激しく脈打つ。
手のひらが冷たく汗ばんだ。
さすがに、生徒が絶えず通っている正門で殴り合いはしないだろう。
そもそも拓海くんは暴力なんてふるう人じゃない。
そうわかっていても、どんどん濃くなっていく一触即発な空気に冷や汗がつたう。
柊木くんは一瞬だけあたしたちを見やると、
拓海くんに向けた冷めた笑顔を、少しだけゆがめた。
「べつに、安心していいですよ」
「…………」
「俺はあなたの妹さんとどうこうなるつもりとか、いっさいないし」
その突き放した言葉に、
みゆきが、息を止めたのがわかった。
となりを見ると、みゆきはぐっと唇を噛んで。
涙いっぱいの瞳で柊木くんを見つめたあと……なにも言わず、駆け出してしまった。
「っみゆき!」

