ローファーに履き替えるあたしの問いかけに、柊木くんがうなずく。
柊木くんがあたしを待っていた時点で、それは感づいた。
つま先をこんこんと地面に打ちつけて、あたしは柊木くんを見上げた。
「二宮くんは……なにか言ってた?」
「なに聞いても無言だったよ。もともと口数少ないやつだけどさ。あと、すげーどんよりしてたし」
心なしか楽しそうに「まわりからは無表情に見えると思うけどね」と話す柊木くん。
生徒玄関をあとにして、あたしは二宮くんを思い出した。
あの二宮くんが、落ち込むなんて想像できない。
あたしもだいぶ二宮くんの表情は読み取れるようになったけど……。
やっぱり柊木くんは、二宮くんと付き合いが長いってことだよね。
「本当に、なにも話さなかったの?」
「うん。あ、でも机に突っ伏して『或音のせいだ』とは言われたけど」
「……柊木くんのせい? どうして?」

