よく見ると、その背中は少しふるえているように見えた。
まるで、緊張しているみたいに。
「ふ、ふたりきりなんてもうないと思うから、言うんだけど」
「ん? なに?」
「すっ……好き、なんだ! 羽山さんのことが!」
安達くんはばっとこちらを向いて、強く目をつぶってそう言った。
勢いのいい告白に、あたしは一瞬かたまってしまって。
すぐに言葉を発することができなかった。
び……びっくり、した。
だって安達くんがあたしを好きなんて、そんなふうに感じたことなかったから。
「つ……付き合って、ください」
真っ赤な顔で、ふるえる手をにぎりしめている安達くん。
蚊の鳴くような声だったけど、静かな準備室ではちゃんとあたしの耳に届いた。
どくん、どくん、と心臓の鼓動が少しだけ速くなる。

