どうしてふたりともいないんだろう。
二宮くんはあたしより先に家を出たんだから、もう登校してきてるはずなんだけど……
「あ、羽山さんと小川さん」
みゆきといっしょに教室じゅうをくまなく見渡していると、背中から声がかかった。
振り返って、みゆきはすぐに顔を赤くする。
あたしもうしろを見て、
柊木くんのとなりにいた二宮くんに、わずかに心臓が跳ねた。
スマホをワイシャツの胸ポケットに入れて、音楽を聴いている二宮くん。
黒いイヤフォンを直すしぐさがかわいい。
「あっ、あの! 昨日は本当にありがとうございました!
これ、あのとき助けてくれたお礼です……っ!」
みゆきが真っ赤な顔でぎゅっと目をつぶり、柊木くんにカップケーキを差し出した。
ちょっと目を見開いた柊木くんは、
すぐに柔和な笑顔を見せ、「ありがとう」とそれを受け取る。

