楽しそうに忠告してくれる柊木くんに、あたしは苦笑した。



二宮くん、容赦ないなぁ。

おもしろがる柊木くんも柊木くんだけどね。



ふたりってあまりかみ合わない組み合わせに見えるけど、そんなこともないのかな。




「まあ、羽山さんにはそんなまねしないだろうけどね。
……あいつ、羽山さんのことすげー大事に思ってるから」


「え……?」




こそっと耳打ちしてきた柊木くんは、「秘密だよ」と口元の近くで人差し指を立てた。


とりあえずうなずくも、ちゃんと意味を理解できていないあたし。




「じゃあね。ごちそうさまでした」


「あ、うん! 気をつけてね!」


「ありがと」




柊木くんは手を振って、家をあとにした。


ばたんと閉まったドアの鍵をかけたあと、あたしは自分の頬を触った。



なぜだか、ほんのちょっと熱かった。





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