よく、甘いものを持ち歩いている女の子達の姿を思い出す。


……やっぱり、藤浦さん、俺の事オンナ友達だと思ってるんだな……と、改めて思った。


そこまで回想して、


まったねー!

と、手を振る藤浦さんの姿を思い出して、


布団の上でポケットからそのブツを取り出す。


俺の体温で暖まり、少し溶けてしまったキャラメルナッツチョコレート。


見るからに、甘そうで。



藤浦さんが、″オンナ友達″の前ではあんなにコロコロ笑ってよく喋るということ。

甘いものが好きだということ。

俺は、そんな藤浦さんが好きだということ。


……そこら辺が分かっただけでも、よしとしよう、と思い直して、チョコレートを口に入れた。