ビジネスおネエの長谷川君

問題はそこからだった。


沢山食べて、沢山喋って、沢山笑った後、藤浦さんの発した言葉に俺は耳を疑った。


「はー、楽しい。男の人とじゃ、こうは行かないもんねぇ」


……はい?


いや、俺、オトコですけど。


なんなら、これデートにカウントしてもいいんですけど。


唖然とする俺に向かって、藤浦さんはニコニコしながら話し続ける。


「よかったー、長谷川君、高校の頃物凄く怖いと思ってたから。

今なら全然大丈夫。

女同士なら、割と平気なんだけど、あたし」



……オンナ同士???


「男の人が、苦手ってわけじゃないんだけど。

初対面とか、しばらく経つまで無理なんだよねー」


藤浦さんは、相変わらずニコニコしていて。