ビジネスおネエの長谷川君

藤浦さんは、俺を見上げながら、またぽかんとしている。


「……うん、暇だよ。あ、夜ご飯の買い物行くけど」


「一緒にご飯でもどう?」


「……大変ね。営業?」


……は?


「違う違う、うちのカフェじゃなくて、どこか。寒くなってきたからラーメンでもいいし、なんか、あったかいやつ……」


何を慌ててるんだ、俺。


思いっきり焦って超絶早口になってる俺をよそに、藤浦さんはゆっくりと


「う、わー。いいねぇ。ラーメン。へぇえ」


独り言のように呟いている。


これは……イケる?


「上がりまで、待ってるよ」


「立ち読みご遠慮願いまーす。じゃ、あと少し頑張ってくるね」


ふざけたように言ってから、藤浦さんが去っていく。