ビジネスおネエの長谷川君

きゃあああああああああ!!!!


泣ける。


俺、今なら本気で泣ける……いや、泣きそう。


何故この店で、水着のオネエチャンが表紙の漫画雑誌を手に取ろうとした、俺ーーーー?!


小難しい哲学書とか。


仕事に活かせそうなカクテル全集とか。


いっそのこと、古典的な歌集とか。


いくらでも選択肢はあっただろうに。


″気になる女の子が、働いている本屋で手にとってはいけない本トップ3″に、間違いなくランクインしているであろう、こんな雑誌。


まだ、辛うじて手に取ってはいないものの、あと数ミリ、というところで空をかく俺の指はどうにも滑稽で。