さすがにここでエロ本を買う勇気などなく、もう一周したら手ぶらで出よう、と気持ちを固める。


……とは言え。


この間テレビのバラエティーで結構いじられてて面白かった子が、ばーーーん、と面積の小さい水着でポーズを決めている表紙を見つける。


売れないグラビアだ、とか言ってたけど、表紙だなんてスゲーな……


「長谷川くん?」


雑誌を掴みかけた手が、びくっと震える。


ま……さ…か…………


嫌な予感は、的中するもので。


恐る恐る振り返ると、そこには紺色のエプロンをピシッと身にまとった藤浦さん。