ビジネスおネエの長谷川君

「長谷川君って、大丈夫?」


「へ?なな、何が??」


頭が大丈夫かってこと?


おネエだから?藤浦さん、そんな辛口だったっけ?


「……あたし、過去を知る人物じゃない?まずくない?」


か、過去を知る人物……。


おいおい、なんか、壮大なストーリーが出来上がってないか?


「一応咄嗟に初めましてとは言ったものの……」


ああ、なんだ。そういうことか。


俺の事嫌いだとか、忘れてた、とかじゃないのか……


そうだよな、だって最初に″長谷川君″って呼んでたもんな。


とりあえず、ほっと胸を撫で下ろす。


「全然、ほら、やましいこととかないし!」


「ごめんね、ご飯も美味しいってのんちゃんから聞いて、どうしても来たくって」


……微妙に会話が噛み合っていないような。