ビジネスおネエの長谷川君

「えとね、じゃあドリンクどうする?」


「んー、グレープフルーツソーダ」


「了解。じゃ、ちょっと待っててね」


メニュー表を回収し、立ち去りつつ、さっきの″しめさば爆弾″が効いていて、ふふふと口許が緩む。


ワンプレート1つ、とキッチンに伝えると、やっさんがにやにやとこっちを見ている。


「……あの子っスか」


「……はい?」


「遥流さんの、営業おネエスマイルじゃなくて、あんな心からの笑顔を仕事中に見られるなんて……」


「いや、今凄い面白い事があって……」


「いいっスいいっス、そういうの!俺は応援するっス!!」


「いや、だから……」


やっさんがまさかのウインクをきめて作業に入る。


……くそぅ。


仕方なく俺もドリンク作りにかかる。