ビジネスおネエの長谷川君

3時半、という中途半端な時間が良かったのか、店内のお客はぽつりぽつりと減っていて。


「ハルちゃん、また今度ゆっくり聞いて」


藤浦さんを席に案内する俺の腕に触れながら、さっきのオムパラ希望の女子が声をかけてくる。


「あ、ごめんねぇ。なんだかバタバタしちゃって」


「大丈夫、またゆっくりね!ばいばーい」


その様子を、藤浦さんに見られたかと思うと何だか変な気持ち。


だけど、これで藤浦さんにだけ素の俺で接する訳にもいかない。


「はい。じゃあこれメニュー。決まったら声かけてね」


他のお客と同じようにおネエでいくしかない。


……引くんだろうな。


いや、そりゃ引くわな。