「あ、茉希ちゃん、この子が前から言ってたハルちゃん!」


藤浦さんが促されて俺を見る。


「……初めまして」


言いながら、ぺこり、と頭を下げる藤浦さん。


ハジメマシテ、という言葉が放つ冷たさに傷つきまくっている俺。


「のんちゃんのお友達?」


動揺が声に出ていないか気を付けながら言ってみる。


何言ってるのよ長谷川君、なんて台詞を期待しつつ……


「そ。本屋さんの同僚だったんだ。ねー」


藤浦さんが、のんちゃんの言葉に頷いている。


「今日はこれから、ほら、新しく出来たパンケーキのお店に行くんだ。ねー」


またしても、のんちゃんの『ねー』に合わせて藤浦さんが微笑む。