「ちょっ……ど、どこいくの……」


「とりあえず、走ったら暖まる!!」


「いや、無理……」


実際は大したスピードも出てないけれど、運動不足の典型的な社会人の俺達は、すぐに苦しくなって。


「ギブ……」


藤浦さんの言葉で走るのをやめる。


「……はぁ、しんどい」


でも、手は離さない。


走ったら、勢いがついた。まるで小学生の俺。


「俺達、具だくさんで、美味しい春巻きみたいなカップルになれると思う」


「なに、それ……」


藤浦さん、息も絶え絶え。


「ハル君とマキちゃんだから」


「あ、あたしもそういうの、考えたことある」


え……?


嬉しいんですけど……。