「カフェに、彼……桧山君が、来たんだ」


これじゃ、俺、ただのチクリ魔じゃん。


恐る恐る藤浦さんを見ると……『ふぅん』って感じ。


「それで……あの……」


うまく、言えない。


どう言っても、藤浦さんを傷つけるってことに今更気づく駄目な俺。


だって藤浦さんは、あんな男でも好きなんだから。


「あの……さ、」


言わなきゃ。


「あ、もしかして、彼女と来てた?この間あのお店気に入ったみたいだったし」



…………え?