「えーとねぇ。んじゃ、これ。アイスカフェモカでお願い!」


「オッケー。ちょっと待っててね♪」


のんちゃんからドリンクメニューの書かれたボードを受け取り、一旦下がる。


他にもパラパラとお客様はいるものの、平日の夕方は割と余裕がある。


キッチンに顔を出し、やっさんに確認。


「今日の夜の部、お勧めはたらこパスタでいいんだよな?」


「……遥流さん、声でかいっスよ」


……いけねーいけねー。


俺はあくまでも″おネエ″なんだっつの。


「夜は、あとデミグラスソースの煮込みハンバーグが5食出せるっス」


「りょーかーーーーいっ♪」


さっきの失敗を取り戻すかのように一際大きな声で言ってみる。