ビジネスおネエの長谷川君

オーダーをやっさんに伝え、ドリンク作りをバイトの子に委ね、ホールを見回してちょっと余裕がありそうだったので、一旦ホールから引っ込む。


……だって、戦場から戻った兵士(勿論、俺)、満身創痍ですもの。


冷静に、冷静に。


男と女がテーブルを囲んでいるからといって、そこに恋愛感情があるとは限らない。


……だけど、あいつらの雰囲気は。


100歩譲って、あの子がオオカミ男に惚れてるだけだとして、


オオカミ男には大切な彼女(藤浦さん)がいるわけだから、


『友達のまんまでいいの!だからせめて一緒にランチを……』


って話になって渋々一度きりのランチを……



……いやいやいや、ないな。



そんな湿っぽさは、微塵も感じられなかったな。